不動産業界で働く上で、一番知られている資格が宅建(宅地建物取引士)です。

アメリカでは基本的に、不動産の内見に立ち会う人も不動産に関する資格を持っている人が対応するようです。しかし日本においては、大手の不動産会社であっても営業から契約直前までやりとりしている人が、宅建の資格を持っていないこともあります。

その背景にあるのが、「営業所の5人に1人以上は宅建士が必要」という不動産事業者としての義務ではないでしょうか。言い換えると、5人のうち1人がもっていれば、不動産業者としては認められるという事ですね。

事実、不動産業界で何十年もの経験を持った先輩の中にも

宅建の資格を持っていても=(イコール)稼げるわけじゃない

不動産業界で大事なのは、資格ではなく経験だ!

という人もいます。

 

しかし、宅建は不動産業界で仕事をする上で、重要で非常に役立つ資格です!

そこで今回は、宅建の資格の重要性について取り上げたいと思います。

営業所の5人に1人以上は宅建士が必要

宅建の資格は、不動産業を行う上では必要不可欠な資格です。先ほど、少しお話しましたが、法律上、不動産業を行うためには、1つの営業所にあたり業務従事者の5人に1人以上、専任宅建士の配置を義務付けているからです。

つまり、宅建の有資格者数が足りなければ、不動産事業を行うことができません。不動産業界で働くために「宅建」は、必要な資格だと意識を持っていただきたいです。

宅建の合格率と必要な勉強時間はどれくらい?

宅建の試験は、土地や建物に関する法律をはじめ覚えるべきことが多く、毎年の合格率は15~17%と低い水準で推移しています。宅建の合格率が低い大きな理由は、覚えるべき内容が広範囲に及ぶため、まとまった勉強時間が必要な点と言われています。

一般的に、宅建の合格に必要な勉強時間は、200~300時間ほど。そのため、一夜漬けの勉強法では合格するのは難しく、数ヶ月の計画的な勉強が必要になります。

宅建の試験に合格することは、200~300時間単位の勉強をしているので、不動産取引に必要な知識を持ち、努力しているという表れと言えます。その勉強時間に裏付けされた知識が、お客様の信頼を得る上で非常に役に立つのです。

信頼を得るために必要な資格

お客様の信頼を得るためには、「不動産取引に必要な知識」を持っていることを知ってもらうことが重要です。国家資格である宅建を取得することで、初対面のお客様でもすぐに「勉強時間に裏付けされた知識」があることを、知ってもらえます。

さらに、宅建を取得することで不動産取引に必要不可欠な「重要事項説明」ができるメリットがあります。宅建取得により、営業から契約時の重要事項説明まで、お客様を全面的にフォローできるので、お客様の信頼を得ることにつながります。

申し込んでも試験を受けない(受けられない)方も多いのが現状

私は毎年、何らかの形で宅建の受験生のお手伝いをしているのですが、試験当日に会場に来ない(来られない)方は、少なからずいます。当日試験会場に来ない(来られない)理由は、主に2つのケースです。

1.勉強不足で受験を諦めるケース

試験会場に来ない理由で多いのが、勉強不足のため受験を諦めるケースです。私は、非常にもったいないと思います。仮に勉強不足であっても、諦めずに受験してほしいです。

宅建の試験は、マークシート方式の4択なので、分からない問題があったとしても25%の確立で正解できます!笑

例え、勉強不足であっても合格の可能性は残されています。

一方で、せっかく試験に申し込んでも、会場に来て試験を受けなければ、合格の可能性はゼロです。会場にいって、試験をうけなければ絶対に合格できません! ですので、まずは「勉強不足でも、受ける!」ことが大切で、会場に行ってほしいと思います。

さらに試験を受ける以上は、合格の可能性を少しでも上げるために、「効率的に学習する工夫」をしていただきたいと思います。

私は1歳の息子を母に預かってもらい、最低でも数時間勉強できる環境作りをしていました。また、受験の数週間前は勤務先にも相談して、1時間ほど早く退社させてもらっていました。

2.試験当日に仕事が入って受験できない

受験する意思があるにもかかわらず、仕事上の理由で試験会場に来られないケースです。中には、十分な試験勉強をしたのにもかかわらず、試験当日に急な仕事が入って受験できないというケースもあります。

このケースの多くは、上司をはじめ周囲の人の宅建受験に対する理解と協力が、不足していることが原因です。業務の忙しい不動産会社であるほど、そして周囲の理解を得られにくいほど、当日試験に受験できない傾向があります。

事実、不動産会社に勤める私の知り合の中には、十分な受験勉強をしたのにもかかわらず、試験前日に上司から

試験を受ける暇があったら、目の前に溜まっている仕事をしろ!

と言われて、受験できなかった人もいました。

このように「せっかく勉強したのに試験を受けられない」という事態を防ぐためにも、後述のとおり、周囲の理解と協力を得ることが大切です。

宅建受験の環境を整えるためには?

宅建に合格するためには、環境を整えることが大切です。前述のとおり、自身が効率的に学べる環境を整えるだけでなく、周囲の理解と協力を得る必要があります。

1.予備校を活用して効率的に学習する

宅建の勉強時間を確保できたとしても、一人だけで学んでいくのは根気がいります。独学では、参考書選びやカリキュラム作りをはじめ、全て自分で行わなければなりません。そして、

一人で勉強するとサボってしまいなかなか進まない・・・・・・

という方も多いと思います。

通信制講座で学ぶ方法もありますが、参考書選びなどの手間は省けたとしても、基本的に「一人で学ぶ」という点で不安が残ります。

そんな場合は、宅建の予備校に通う!が最もおすすめしたい1つです。

予備校では、分からない部分を先生に直接質問できるので、独学にくらべて効率的に学習可能です。そして、宅建合格という同じ志を持った仲間が周囲にいることで、情報交換をしてモチベーションを保ちながら、集中して学ぶことができます。多くの予備校で、土日や夕方以降の仕事のない時間帯の授業を自由に選択できるなど、柔軟なカリキュラムを組んでいます。

2.周囲の理解と協力を得る

宅建を受験する上で、勉強時間を確保するためには、周囲の理解と協力を得ることも忘れてはなりません。さらに、前述のとおり試験当日に仕事を入れないようにする必要があります。

そのためには、職場の上司や家族、知人など、関係する人には早い段階で宅建の受験を伝えて理解を得るようにしておきましょう。周囲の人の理解を得ることで、「応援してもらいながら勉強する」ことが、合格への近道です。

宅建の取得で転職・独立の道も!

宅建を取得することで、現在の職場での仕事の幅が広がります。

将来の転職を考えた場合も、同じ不動産業界であれば宅建取得者は非常に有利です。宅建を取得して経験を積むことで、将来は不動産業者として独立・開業する道も開けます。

人生100年時代と言われる中で、自分の好きなこと、やりがいのある仕事を見つけられるって幸せなことですよね!

宅建の資格を得ることで、1つの会社に縛られずに、自身の才能をより生かせる環境を選択する道が開かれます。

不動産業界で仕事をされる方、挑戦してみたい方、ぜひ宅建の資格取得を目指していただきたいと思います。