みなさんは、「不動産の相続」について考えたことはありますか?
日本人の多くの方が個人資産の大半を”不動産”で占めていると思います。

難しいイメージのある相続の手続きですが、ほとんどの人が人生で一度は経験するであろうことですので、このブログを読むことでポイントを掴んでもらえたら嬉しいです。

親の土地を相続する場合、事前に相続手続きに関する流れや手続き、税金がかかるのかなど、対策をしておかないと、必要以上に税金を払うことになったり、親戚や仲の良かった兄弟と揉めてしまう…などのトラブルが発生する残念なケースも多く見られます。

私自身も親戚同士で揉めているのを目にしたことがあるため、決して他人事ではありません!
それまで仲のよかった親戚が誰かが亡くなった途端に縁を切り、弁護士をつけて争っている話しを聞くと胸が痛みます。

ですので、このブログを読んでいる方には、相続のために事前にどのような準備をしておけばよいのか、相続の流れを分かりやすく解説しながら、トラブルを起こさないための対策をご紹介させていただきます。

– そもそも相続とは?

相続とは、人が死亡した時に、死亡された人の財産を配偶者や子どもが引き継ぐことを言います。相続人は民法で定められており、さらに民法で規定されている相続割合にしたがって相続することになります。

配偶者は常に相続人となります。
配偶者以外の相続順序は、

第1順位:子ども

第2順位:直系尊属(父母や祖父母など)

第3順位:兄弟姉妹

となります。

つまり、第1順位の人がいない場合は第2順位の人に、さらに第2順位の人もいない場合は、第3順位の人となります。
第3順位の兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子どもが相続人となります。

-トラブルが多い、亡くなってからはじめる争続

親が亡くなると、相続のために相続登記が必要となります。

相続登記とは、土地や建物の登記名義を相続人に変更する手続きのこと。
相続登記をすることで、その不動産は相続人のものになります。

しかし、登記の前にまずは遺産分割協議を成立させることが先決です。
遺産分割協議とは、遺産分けをどうするのか、相続人たちが集まって話し合う遺産分割協議の内容をまとめた書類のこと。
相続の手続きを進めるだけでなく、遺産分割の内容を明らかにし、後のトラブルを防止する役割もあります。

その後、書類が揃えば相続登記を申請し、登記が完了することとなります。

一見簡単そうに見えますが、相続人がたくさんいる場合、誰がどれだけ相続するのか、トラブルが発生することがあります。

特に財産が「不動産」である場合、現金と違ってきれいに分割することができません。

例えば、残された財産が少しの現金と自宅であった場合、現金の額と自宅の価値に大きな差があり、財産を分割できない事もあるでしょう。
また、ご両親の介護をしてきた親族が「私がずっと介護をしたんだから、多くもらって当然だ!」などと主張してきたり…さまざまです。

このような細かな相続のトラブルは本当にたくさんあります。
兄弟間の理解が得られたり、遺言がある場合は法定相続分のとおりではないこともありますが、そもそも、それぞれの”つもり”や”認識”が違うため、トラブルに発展してしまうことがあります。

-相続のトラブルを防ぐ方法

では、このような相続のトラブルを防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。
残された家族が遺産のせいで仲違いしてしまうなんて、亡くなった方も望んでいないはずです。

相続で重要なのは、「生きている間に財産を整理し、対策をしておくこと」です。

まずは、財産の情報を明らかにしておきましょう。

相続人が想像していた遺産より実際の遺産が少なかった場合、「他にも財産があるのでは…」と疑心暗鬼になりトラブルに発展することもあります。
例えば、生きている間に同居している兄が親のお金を使っていたのではないか?と考えたりして、揉めることがあります。
ですので、生前に(⇐これがとても大事です)相続人たちと、財産について情報を共有しておきましょう。

不動産を複数所有されている方は不動産コンサルタントや不動産に強い税理士、弁護士とお付き合いがあるかと思いますので、専門家を交えて、情報共有されておくことをおすすめします。

さらに、「遺言書」を残しておくことがとても効果的です。

相続は基本的に、亡くなられた方の意思が記載されている遺言書を尊重して進められます。

つまり「土地を長男に相続させたい」、「売却してお金を分けなさい」など、遺言書に書かれている内容が優先されるので、スムーズに手続きが進められます。

また、介護の負担や方針についても元気なうちに家族で話し合っておきましょう。

特に自宅介護の場合、介護者の負担はとても大きなものです。
介護した者がご実家を相続したいのであれば、介護が必要になった段階でご家族の配慮が得られるようきちんと話し合っておけば、亡くなった後も相続がスムーズになります。

また、相続税が発生する可能性がある場合は、相続税の試算もしておきましょう。
生前から相続税対策をすることで、より効果的に相続することが可能になります。

例えば、不動産を売らなくては相続税が払えない場合、売り急いでしまうと相場の6〜7割で手放すことになってしまうこともあるからです。

相続税は平成27年に大幅に変更があり、基礎控除額が引き上げられました。
課税対象者も増加しているため確認してみてください。

ただ、そうは言っても、生きている間に相続の話し合いはなかなかしづらいものです。

特に子どもの立場から高齢の親に「財産の整理をしてほしい」「遺言を書いてほしい」とは頼みにくいものです。

・自宅の修繕の話が出たとき
・知り合いや知人が相続したとき
・モノや身の回りの品を整理・処分しているときなど

タイミングをみながら、事前に話し合い、遺言を残すことで、相続のトラブルの大半が回避できるのです。

司法統計によると、遺産分割の新受任件数(調停・裁判)は年々増加しています。
「遺言を書いてもらえばよかった」と後悔している相続人は本当にたくさんいらっしゃいます。

遺言がなかったために莫大な費用と時間をかけて、相続処理をすることになった方も実際にみてきました。

元気なうちにきちんと相続の準備をしておくことが、人生を全うするということだと思っています。

イーエムラボでは今すぐの売却ではなくても、将来的に売却になるかもしれないという段階のご相談もお受けしています。

不動産がいくらくらいするの?というお話しから相続の話しを第三者からしてみるのも効果的かもしれません。

私自身もALSという難病の母を看取り、介護のことや施設探しで苦労した経験もありますので、自分が経験したことで誰かの役に立てることがあれば嬉しく思います。

是非、お気軽にお問合せください。